経済は国境を跨いで蠢いている。しかし、政治は国境を跨いでいない。これがグローバル化による歪みの原因なのだろうか。もし、政治と経済が整合していれば歪みは生じないのか。
ソビエト連邦およびソビエト連邦をコアとした東欧の政治は経済的に解体を余儀なくされたのか。オバマ政権の対中政策は、そのようなソビエト連邦解体解釈のもと、経済上のグローバル化の上で政治上の中国の解体を試み、国境を跨いだところでの政治と経済の整合を意図していたのだろうか。また、トランプ政権は政治は決して国境を跨がないものとし、経済を国境の中に押し戻し、中国をはじめとする他国との経済関係を個別の政治的取引として国内政治に帰結させようとしているのか。
一方の、ロシア, 中国は、それぞれの覇権域内こそが唯一のグローバルであり、それ以外の地域は辺疆であって、そこはローカルですらないと考えていないか。そして辺疆の政治的, 経済的な征服こそがグローバル化であると考えていないか。だからこそ、彼らはすべてを国内政治に帰結したものとして対応するのではないか。また、トルコの現政権も同様に唯一のグローバルを標榜しつつあるのではないか。
さて、ところで試みられたユーロ域内は政治的に統合しているのだろうか、そして、通貨統合は政治的統合を加速させたのだろうか。けれども、いずれにせよ国境内においてさえ、なんらかの歪みが存在しており、この歪みからは完全には逃れられていない。かつ、この国境内の歪みが、国境を跨いで独自に蠢き始めた経済のグローバル化により顕著になり危険な水準になっているとして、国境を超えた政治的統合(政治的グローバル化)が、これの画期的な是正たりえるのだろうか。
(民主主義は経済的歪みを解消させるツールなのだろうか), (TPPは経済の名を語った政治協定なのだろうか), (北方領土の共同経済活動は政治的な有効性を持つのだろうか)
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安い労働力を求めて企業が国外に拠点を移し、労働者の経済活動の場が国外に持ち去られた。あるいは、安い労働力の国内流入により、労働者が国内の経済活動の場から排除された。結果として多数を占めていた労働者中産階級が失われ、多数の労働者下層階級を生み出した。この多数の労働者下層階級が政治的に組み込まれていないことが問題だとして、何故、多数であるはずの下層階級が民主主義政治上での地位を確保できなかったのか。
あるいは、それらとは関係なく産業構造の変化が労働価値を変質させ多数の労働者階級を中間から下層へ押しやったのか。また、この産業構造変化を、もし、民主主義政治上での地位を確保できていたとして、制御できたのだろうか。そして、その様な視点こそが旧労働者中産階級の民主主義政治的疎外感(反発)の誘因となっているのだろうか。
政治的構造と産業(経済)的構造は相似形なのだろうか。そして、そもそもが、政治的構造が産業(経済)的構造を制御し得るものなのだろうか。また、制御し得ると考えていたかつての産業(経済)構造と現在の産業(経済)構造は同一のものなのだろうか。
(中間層の政治的瓦解は、純粋に政治的な結果なのか、その瓦解の理由を政治の上に求めることが出来ないのではないかと考える), (Google, Amazon, Facebook , UBER, Airbnb などの企業の構造的寡占/独占は、かつての企業の寡占/独占と本質的に異なるものと考える)
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「食うこと」が経済活動の基本だと考える。「食うこと」の困窮の原因であるところの王制や貴族制の様な一部の特権階級の政治と統治が解体され、個々人が同等の権利をもって政治と統治を行う政治構造が民主主義として生み出された。また「食うこと」の困窮が、政党指導者や宗教指導者や強権指導者を排斥する原動力となり、排斥の結果が民主主義の樹立であると信じられている。そして、政治構造と経済(産業)構造が相似形であると信じていたからこそ、経済的統一が政治的統一の原動力になると信じられていたのではないか。
民主主義は政治的地位(経済的地位)を確保するための政治競争でもある。王族や貴族や軍閥のみが行ってきた政治と統治を奪い合う政治競争から、個々人が政治と統治を奪い合う政治競争を行える政治構造でもあるのだ。そして、政治競争が個々人の間で行われているからこそ、揺らぎが生じ、政治(統治)的寡占/独占から逃れられるのだと信じられている。
さて、経済(産業)構造が政治構造と相似形であるのであれば、経済も揺らぎの中で寡占/独占から逃れられるはずである。はたしてそうなのか。そもそもが、相似形の構造を持つ経済(産業)競争が成立し得るのだろうか。
しかし、経済競争は揺らぎがあるものでなく、経済的な価値の変遷に方向づけられ、限りなく偏るものではないだろうか。そもそも、経済的な価値は政治的な決定から独立いているのだから、経済競争の根底は政治競争とは分離されており、だからこそ、政治構造と経済(産業)構造は相似形ではないと言えないだろうか。だとすれば政治構造は経済構造を制御し得ない、事実制御し得ていないと言えないか。
この政治的な決定から独立いている経済的な価値が存在することが、旧労働者中産階級の民主主義政治的疎外感(反発)の誘因であり、民主主義政治の変容を招き、かつ、国家間戦略の失敗の原因となっていないだろうか。
(金融商品が"もの"の実経済から離脱したことは経済的価値が"もの"から離脱したと考える), (ITは"もの"の実経済に価値を与えるのではなく"もの"の実経済から価値を奪ったとも考えられないか - 奪ったとは言い過ぎで、価値が一致しなくなったと言ったほうがよいか), (これらのことが経済 -利益/富- の偏在をもたらしている), (また、例えば端末 -デバイス- は情報ベースプラットフォーム以上のものではないから決して情報より端末が価値的優位を持つことはないと考える), (例えば、実経済を駆動するのが金融商品などの金融経済であり、その意味で金融経済は実経済より価値的優位を有すると考える)
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民主主義は、個々人が同等の権利を持つことを前提とするので、個々人の政治と統治の優位性の競争に行き着く。この、個々人は国家, 民族, 宗教, 地域, 年齢, 性別などなどの極めて多岐にわたる属性を持ち、その属性毎に優位的位置づけを求める。
今日において、これら個々人は代表者を選出することにより個々人の政治と統治の優位性の競争を行っている。しかしながら、この代表者が国家, 民族, 宗教, 地域, 年齢, 性別などなどの極めて多岐にわたる属性の全てにわたって代弁者たりえることはない。相反が生じる。
だからと言って、代表者でなく個々人が直接政治競争を行うのも、また、代表者を介したとしても多岐にわたる事項について都度政治競争を行うのも、物理的な制約がある。この物理的制約が情報技術により解消されたとして、民主主義は想定された理想の政治構造に至るのだろうか。あるいはポピュリズムの蔓延をいっそう招くことになるのだろうか。
ただ、どのようなシステムを選択しようとも、個々人は政治競争の上で調査, 分析, 判断から逃れられないのは明らかだと思う。競争の権利を手放さない為には。
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とりあえず、感じたことを羅列。書いてみたところで支離滅裂ある。
