先の手術で肩の固定の為に埋め込まれていた針金を抜く事になった。先日の診察時、既に皮膚を突き破らんばかりに飛び出してきた針金の様子を見て、主治医が「6週間目ねぇ〜 抜きますか」とつぶやき、急遽、局部麻酔の日帰り手術となった。当初の予定では最短でも年明け頃、不都合が無ければ半年先であったのだが、拍子抜けする程、筋金入りの生活の終わりを迎えるのであった。
先の手術は、全身麻酔で腱の縫合と固定用針金の挿入と言う事で、前日の夜から食事, 水分 等の制限がついたのだが、今回は局部麻酔と言う事で、なんら制限無し。当日の AM 09:00 に出頭しろとのことであった。
AM 09:00 に出頭すると、ICU に通され手術用のガウンに着替えさせられ、手術開始時間 AM 10:00 まで待機状態となる。その間、出入りする介添え婦や看護婦の方々と
等と会話を交わしながら、持ち込んだ本を読んでいた。途中、血圧, 脈拍, 体温 の測定があっただけで、前回の様な点滴や投与など全くなし。AM 10:30 になって、やっと手術室に入ることになった。
手術は、前回と同じ曜日のせいか、前回と全く同じスタッフである。その日最初の手術と言う事も有り、結構バタバタした雰囲気の中で準備が始まる。手術台に上がって心電図用の電極, 血圧測定用のバンドを巻かれたり、主治医を含む 3 名の医者がレントゲンの周りで確認をとっていたり、その向こうでは備品のチェックが続いていたり、
等と言っている内に、準備が整いつつある。医者の方も患部の触診で針金の位置を確認した後に消毒をして、麻酔注射を打ち始める。
まだ、看護婦が顔の周りに布を張って手術している所が見えない様にする作業を続けている最中に、なんとなく手術が始まってしまった。麻酔が効いているので何時メスが入ったのかは判らなかったが、肩の方でペンチの様なもので針金を引き抜く感触が伝わる。実際に引く抜く時には、鎖骨にゴリゴリとした振動を感じたものの痛みは全く感じなかった。縫合を含め手術自体は、ほんの 10 分程で終了となる。
斯くして手術は無事に終わったのであった。手術室で病棟用のガウンに着替えさせられて、ICU へ連れ出される。ICU の看護婦との引き継ぎが終わり無罪放免となる。ICU で時計を見ると AM 11:00 であった。
さて、程無くしてお土産が約束通り届けられたのであった。
適当にペンチで切断して片方の端をぐりんと曲げただけの何の変哲もない針金であった。表面にはペンチで挟んだ後の疵までついている。私の周辺には単車乗りが多く、レースに参戦していた人物もいたので、手術経験者は結構多いのである。で、彼らに言わせると外科は大工仕事らしい。
着替えを済まして病院を出ると丁度お昼時である。中華料理屋に寄って定食を食べる。縫合部分に、ややつっぱった感じがあるものの全く良好である。針金が飛び出しつつあった頃は、服の縫い目に当たって痛かったのだが、今は、全く問題無し。抜糸後、本格的に開始されるリハビリの方が絶対に痛いと思う。
尚、看護婦や介添え婦の方々には、どうやら不精な巨漢と思われているらしい。:-)