作戦

晩飯を食っていると少佐 【誰】 より連絡が入る。 「今回の作戦には潜水オプションがあるが、参加するか?」 とのこと、 「先ず海洋状況を伝達願いたい」 と応答すると 「水温に於いては 16 ℃ である」 との情報により 「我、潜水オプションを望まず」 と応答する。少佐より折り返し伝達が入る。曰く 「潜水オプションの件、了解した。まるにいまるまるをもって通常装備で集合のこと」と。

「まるにいまるまる」 に集合。兵站用車両より通常装備を兵員輸送車に積み替える。 (当方所有の兵站用車両は 1 t の積載量を誇るが如何せん足が鈍い) 一路、戦地へ。

早朝、前線後方に到着す。総員にてベースキャンプ設置。早速、小規模戦闘あり。各自、パン, お握り, 味噌汁, コーヒーにて応戦。

個人装備の弾薬が尽きたので、作戦士官より現地調達班編成の要請あり。調達班出動。 (この間、ベースキャンプは兵員 2 名が防戦にあたる) 調達班帰還後、直ちに昼の戦闘を開始す。オリーブオイルで大蒜, 鷹の爪を炒め、浅蜊を投入し、次いでトマトソースを投入する。最後にパスタに絡める。ベーコン, シメジをオリーブオイルで炒め、時折、余剰の油を切りながらカリカリ状態まで炒め、そこへ、生クリーム, チーズ, 卵の黄身を投入攪拌す。これも最後にパスタに絡める。玉葱のスライスとベーコンを炒め、そこへスープストックを入れ、温め直した後に、塩で味を整える。尚、兵員には、ビール, 白ワインの配給があった。

予想以上の戦果に兵員は浮かれたが、作戦士官より 「勝って兜の緒を閉めよ」 との訓示あり。塹壕を堀り、夜間戦闘に備える。夜間戦闘は、日没直前より開始される。東部戦線では、塹壕に釜が設置され、事前に十分に含水せしめた米を釜に投入し、また、これも事前に昆布等をさっとくぐらせた湯に薄口醤油等で味を整えた出汁を注ぎ、灰汁抜きした竹の子のスライスを敷き詰め、その上に熱湯をかけてヌメリを除去した鯛を載せて炊きしめる、十分に蒸らした後に、鯛の身をほぐし、飯とザックリを攪拌し、木の芽が搭載された。西部戦線では、グレが捌かれ、半身は昆布締めに、半身はサラダ菜, セロリ, 茗荷とあわせ、オリーブオイル, 塩, 黒胡椒, 柚子にて味が整えられ、カルパッチョとして供される。グレの粗はスプーンで綺麗に掃除され (粗は味醂, 溜まり醤油で漬け込まれ、茗荷のみじん切りと攪拌せしめ小規模戦闘の際、ビールと共に支給された) 日本酒で煮込まれ、塩で味が整えられ、潮汁として供される。昆布締めは、あおり烏賊と共に、大葉が敷かれた皿に盛られて供された。尚、兵員には別途、冷酒, 白ワインが支給されている。

夜間、散発的に戦闘あり。各自ワイン, coffee にて応戦。防空班より伝令あり。曰く 「星が落ちてきそうなぐらい綺麗です」 と。「いちいちまるまる」を以て、本日の戦闘状態が解除された。

翌早朝、小規模ながらも敵襲あり。兵員 2 名がこれに応戦。潮汁を薄め薄口醤油で味を調えて温めたものに、鯛飯の残りを投入し、煮立つ寸前で火を落とし、攪拌した卵を流し込み、しばらく蒸らし、すだちを搾る。

この後、 coffee 等にて散発的な戦闘があるものの、戦果上がらず。作戦士官より大規模攻勢の指示あり。東部戦線は、引き続き塹壕戦であった。戦力の低下は否めないものの、白飯がふっくらと炊き上げられる。西部戦線では、豆腐, 薄揚げ, 三つ葉での味噌汁が戦果として報告された。今回拡張された北部戦線では、七輪にて鰺の開き, 青唐辛子が焼き上げられた。途中、昨日のあおり烏賊の残りが味醂と溜まり醤油で漬け焼きにされ、ビールと共に兵員に支給される。さて、南部戦線であるが、溶き卵に出汁が加えられ、みじん切りのネギが投入され、出汁巻卵として応戦するも、戦況捗々しくなく、スクランブル出汁巻にまで苦戦したが、最終的には出汁巻オムレツとして戦果が報告された。尚、鰺の開きと白ワインの組み合わせが、思いの外、戦況を有利なものにした。

戦闘は、正午直前まで続いたが、本格的な攻勢故に、これ、敵を殲滅せしめた。午後、十分な休息時間がとられた後、作戦本部より撤収の指示あり。総員にて撤収となる。撤収後の帰路、各地で戦闘を繰り広げていた部隊が道に溢れ始めたが、我等精鋭部隊は、怯まずに作戦士官の指示により山岳越えを敢行し、他の部隊を尻目に中継都市に帰還することが出来た。中継都市にてラーメン, 餃子, はや寿司を補給後、本拠地に帰還。

「いちまるまるまる」を以て、部隊解散。